見渡せば 柳桜を こきまぜて
都ぞ春の 錦なりける
素性法師
花冷えの頃となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
桜の花も見頃を終え、銀座を歩くと目に留まるのは柳の木。
かつては銀座のシンボルと言われることもあったようです。
東京の緑化事業として、明治の初期に植えられた街路樹。
初め植えられたのは、柳ではなく桜や松の木。
しかし、銀座の地盤ではうまく育ちませんでした。
銀座の土地に合う木は…と模索の結果、柳が植えられることになったのです。
その後、関東大震災や道路の整備、空襲などの被害を受け、減っていった柳の木。
寄贈され、植樹され、長年の時を経てまた銀座に柳が戻ってきたのでした。
今私達が目にしている銀座の柳には、人々の想いが詰まっていたのですね。
花冷えの折、皆様くれぐれもご自愛ください。
良い週末をお過ごしください。